鍼とお灸でできること 【せき、鼻、のど】
最近風邪をひいた後咳だけが残る症状が増えている気がします。その症状に特化した鍼、お灸の施術。
また、喉の痛み、喉の違和感、詰まった感じや飲み込みにくいなどの症状の鍼とお灸。
そろそろ始まる花粉症などの鼻炎。鼻水、鼻詰まりなどの鼻の症状の鍼とお灸。
これらの[せき、鼻、のど]の症状別に鍼とお灸の施術で簡単に説明したいと思います。
せき
咳が長く続くとしんどいですよね。腹筋も背中も痛くなるし。咳止め飲めば便秘になるし・・・
鍼とお灸でどうにかなるものなのか?
ということで、まず、咳が出るのは体の中(呼吸器系)に侵入してきた異物(ほこり、細菌、ウィルスなど)を咳で出そうとするからです。その異物は自分の体力、免疫力が低下していたら体外に出せないどころかどんどん奥に侵入していきます。
そこで鍼施術。呼吸を助ける筋肉(特に背中あたりのこり)を緩めると呼吸がしやすくなり力強い咳もできるようになります。もちろん免疫力も上がるし血流も良くなるので、細菌・ウィルスを攻撃する力が増しその死骸が痰として出しやすくなります。
そしてお灸は、低下した内臓の働きを補ってくれるので、体力を補うツボ「足三里」とか、呼吸器系のツボ「尺沢」「孔最」をお灸で温めてあげるといいと思います。お灸はセルフケアもできるのでおすすめです。
足三里(あしさんり)
「足三里」というツボは[足の陽明胃経]にあり消化器疾患を主ります。お灸をして低下した内臓の働きを元気にします。また養生保険・長寿の灸穴としても有名です。
尺沢(しゃくたく)・孔最(こうさい)
「尺沢」「孔最」というツボは[手の太陰肺経]にあり肺疾患を主ります。鍼やお灸で肺に潤いを与えます。
鼻
急に鼻水がタラッと出てきたり、脳が溶けているのかと思うぐらいかんでもかんでも出てくる鼻水。鼻水も体を守るための大切な働きをしています。鼻の中に異物(ほこり、花粉、細菌、ウィルスなど)が入り、鼻水でその異物を出そうとしてます。
鼻詰まりも苦しいですよね。鼻炎やアレルギーなどの鼻詰まりは鍼で楽になる場合もあります。
例えば首の後ろの筋肉がこりで硬くなれば鼻炎やアレルギーが酷くなったりします。それを鍼施術で緩めてあげれば少し楽になったりします。また、「迎香」という鼻翼の外にあるツボに鍼をすれば結構鼻がスッキリします。
お灸でも気血を補うツボ「足三里」「合谷」などを温めてあげるといいと思います。
迎香(げいこう)
「迎香」というツボは[手の陽明大腸経]にあります。その穴名のごとく嗅覚に関係を有します。蓄膿症または肥厚性鼻炎にあっては、この穴に鍼をするとよいとあります。
合谷(ごうこく)
「合谷」というツボは[手の陽明大腸経]にあります。ツボの名前でよく耳のする穴名でここでは蓄膿症にもいいとあります。
足三里(あしさんり)
「足三里」というツボは[足の陽明胃経]にあり、肥厚性鼻炎・蓄膿症などの鼻疾患にもいいとされてます。
のど
喉の症状にもいろいろあります。
炎症が起こって痛い。イガイガする。詰まるような感じ。飲み込みにくい。などなど・・・
まずは鍼施術で自然治癒力が高まるようにします。あと、飲み込みにくくなったり、詰まるような感じがある場合はストレスも関係しています。鍼施術で緊張を解いてあげます。また首の筋肉もこりなどで硬くなって詰まっている場合もあるので緩めていきます。
お灸では気血を補うツボ「足三里」「合谷」と喉の痛みイガイガにも「孔最」「尺沢」、ストレスには「内関」というツボを温めてあげるといいと思います。
足三里(あしさんり)
「足三里」というツボは[足の陽明胃経]にあり、神経衰弱・ヒステリーなどにもいいとされています。
合谷(ごうこく)
「合谷」というツボは[手の陽明大腸経]にあり疏風鎮痛{そふうちんつう(痛み止め)}の効果もあります。
尺沢(しゃくたく)・孔最(こうさい)
「尺沢」「孔最」というツボは[手の太陰肺経]にあり気管支炎・咽頭炎などにもいいとされています。特に喉の痛むときやせきが頻発するときには「尺沢」にお灸を多壮すればいいとあります。
内関(ないかん)
「内関」というツボは[手の厥陰心包経]にあり、安心寧心{あんしんねいしん(精神不安状態を安定させる)}・鎮痛理気{ちんつうりき(痛みをとり気の流れを良くする)}作用があります。