虫の知らせ
今回はこの本の紹介。
あるお灸関係の小冊子で興味深い文章が。
九州国立博物館の収蔵品『針聞書(はりききがき)』という医学書があって、なんでも、体内には病の原因となる虫がおり、どのように鍼を打てば退治できるかが書いてあると。
さっそく検索してみると、なんか面白そうな虫たちが。関連の本も売ってるって。すぐに、ポチッと購入。となった本です。
そんなハラノムシたちをちょっとだけご紹介。
馬癇 ●うまかん●
六聚(ろくじゅ)の部類、癲癇には五つある。まずは心臓の聚で、名づけて馬癇という。これは、日(炎天下)や火(火災)によって起こる虫である。鍼は、常に心臓のツボに立てるが、それにはいろいろな立て様の口伝が数多くある。発作の前でも後でも、鍼を立てるツボは同じ場所である。少しでも瀉法を施してはいけない(心臓に負担をかけて悪化させる)。
腰抜けの虫●こしぬけのむし●
この虫は(外から)侵入してくるものである。(突然どこからともなく飛んできて)宿主の腰の辺りにいて(長い胴体を腰椎に巻きつけてギックリ腰を起こし)体を苦悩させる。(激烈な痛みに堪えかねて)腹を壊し、冷や汗が垂れ、胸元が苦しく、虫酸(むしず)が走ると吐逆する。木香(キク科モッコウの根)・甘草(マメ科カンゾウの茎と根)を内服する。
心臓発作には馬、ギックリ腰には羽むしが悪さをする。という昔の人の想像豊かな絵と解釈で書かれた東洋医学の医学書『針聞書』。誰がいつの時代に書かれたものなのか、針とハラノムシとの関係など、専門家の先生たちが分かりやすく解説してくれています。また、ハラノムシたちのフィギアもなかなか可愛いものが販売されていて、ポチッと購入しそうです。