鍼灸の効果を科学的に解明!
鍼灸はまだまだ解明できていない状況ですが、近年の研究により科学的根拠も明らかになりつつその有効性が支持されています。
その鍼灸による主な科学的根拠の一部を簡単に紹介します。
1 疼痛緩和効果
2 自然治癒力の促進
3 神経調節効果
4 脳科学的な効果
5 筋肉が緩む仕組み
1 疼痛緩和効果
鍼灸治療を受けると、神経伝達物質のひとつであるβエンドルフィンが身体の中で放出されます。
このβエンドルフィンは、痛みを抑える鎮痛効果や、免疫力の向上、心地良さを与えるなど、神経に直接作用します。
そして脳の痛み伝達経路に影響を与え、痛みの感知を軽減させるというメカニズムです。
2 自然治癒力の促進
鍼灸治療で局所的に炎症反応が引き起こされることにより、免疫系の活性化や血流の改善が起こり、組織修復が促進されます。
すなわち自分の身体が自分で修復する自然治癒力が促進されるということです。
3 神経調節効果
鍼灸は自律神経のバランスを整える作用があるとされています。
自律神経は、交感神経と副交感神経という2つの神経のバランスで正常に身体の中を動かすことができています。しかも、自分の意識に関係無く調節されています。主に内臓などの身体の働きを担い、その働きは相反する拮抗作用です。
例えば、ストレスがかかったり、イライラすると交感神経が優位になります。拮抗作用で副交感神経の働きが弱くなります。
そうするとどのような状態になるか上の表に当てはめてみてみましょう。
まず、心臓がドキドキ、バクバクと亢進してきます。
血管が収縮してきて、心臓は圧を上げているのに血管が細くなるので、血圧が上がります。
胃腸は運動が抑制され、消化液の分泌も抑制されるので消化が悪くなり、ストレス状態イライラ状態が長引けば、胃が重い、痛い、便秘などの症状が出てきます。
思い当たる節が・・・
鍼灸には自律神経のバランスを整える作用があるので、バランスの乱れによる様々な症状が改善されていきます。
交感神経、副交感神経の調節を行い、ストレスや不安の緩和に寄与します。
4 脳科学的な効果
鍼灸は皮膚や筋肉などの「体の表面」に分布する感覚神経を刺激し、その刺激が脳、脳幹、脊髄などの「中枢神経」を介して作用すると考えられています。その結果、体にある様々な身体を調整する機能(内因性痛覚抑制系、自律神経、免疫系など)に影響を与え、自然治癒能力を高め様々な効果を発揮します。
5 筋肉が緩む仕組み
筋肉の過剰な緊張やコリは、筋トリガーポイント(痛みの原因部位、痛覚過敏部位)と呼ばれる筋肉、腱、靭帯など特定の部位に発生します。
鍼治療によって刺激された部位ではトリガーポイントが解消され、血流が増加します。血流が増加したことにより良好な血流が酸素や栄養素の供給を促進し、筋肉の緊張がほぐれ筋肉が緩んでいくのを助けます。