鍼の施術について
鍼の施術について、鍼の種類、日本独自の「管鍼法」という手技がなぜできたのか、また、「管鍼法」のメリットなどと共に鍼施術の安全性についてと当院の施術の流れについても紹介していきたいと思います。
1 鍼の種類
2 日本独自の「管鍼法」という手技について
3 鍼施術の安全性
4 当院の施術の流れ
1 鍼の種類
極めて細いステンレス製あるいは銀製の鍼を用いて、身体に刺入していきます。
長さ約15mm〜90mm
太さ直径約 0.10mm〜0.30mm
(比較:日本女性の髪の毛の太さ平均約0.08mm)
当院が使用している鍼は
中国では日本より少し太くて長い鍼を使用します。
また、鍼を刺入せず皮膚を摩擦、接触、押圧するだけの専用の道具もあります。
2 日本独自の「管鍼法」という手技について
管鍼法(かんしんほう)とは、鍼よりやや短くて、鍼管(しんかん)と呼ばれる金属もしくはプラスチック製のストロー状の管に鍼を挿入し、わずかに出た鍼の部分を軽く叩くことにより鍼の刺入を容易にする方法です。また、メリットとしては患者さんにほぼ痛みを感じさせることなく刺入できることで、日本独自の方法です。
管鍼法(かんしんほう)は、江戸時代前期に杉山和一により創始されました。
それまでは中国鍼のように、鍼自体を持ち皮膚に差し込むように刺す、鍼を押し込むような方法です。
以後、日本鍼は、管鍼法という独自の方法が杉山和一により広く認知されていきました。
杉山和一は幼少期の病により盲目となり、17、8歳ごろ盲人医に入門するも不器用で技術も向上しなかった為破門されます。
ある日修行の帰り道、石につまずき倒れた時に手に拾った松葉の入った管から管鍼法の着想を得たと伝えられています。
後に杉山検校として近代日本鍼灸の中興の祖(ちゅうこうのそ:衰退したものを再び盛んにした先祖)とされ、視覚障害者の職業教育に鍼、按摩を定着させていきます。
3 鍼施術の安全性
一昔前には、鍼灸院の開設時に高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)の設置が義務付けられていました。
鍼および関連用具は全て滅菌消毒して使用されていたからです。
30年ぐらい前にはよく「鍼は使い捨てですか?」という問い合わせがありました。感染に対する心配です。
今では、ほとんどの鍼灸院で、鍼、鍼管、鍼を入れるパレットなどは使い捨てが当たり前になっています。
しかも、コロナ禍になる以前から手洗い消毒も当たり前のことでした。
感染対策としての安心安全には常に心がけています。
また、事故の無いように細心の注意を払って施術に取り組んでいます。
鍼治療による副作用、合併症はほとんど報告されていないという状況です。
4 当院の施術の流れ
当院での施術の流れを簡単に説明します。
来院されてベッドの方に案内し、準備がで整えば今日来院された症状についてお聞きします。
その症状を踏まえて
まず、仰向け状態で12箇所ぐらい置鍼(ちしん:刺入した鍼をそのままとどめておく術)をしてそのまま少し休んでもらいます。
お灸が必要な症状にはこの時一緒にお灸します。
鍼を抜いて次は、うつ伏せ状態で20箇所ぐらい置鍼をして休んでもらいます。
パルス(低周波治療)が必要な症状にはこの時パルスをします。
置鍼をするだけでも緊張が少し緩みます。
鍼を抜いて最後に、こり、筋肉の硬い箇所を仕上げとして鍼で緩めていきます。
以上で約1時間の施術になります。
おだいじに。